脳神経外科・頭痛外来
Stroke & Headache Outpatient
当院では脳卒中関連疾患などでお困りの患者様に対する外来を行っています。
脳卒中とは、脳梗塞、脳出⾎、くも膜下出⾎などの脳⾎管障害の総称です。脳卒中によって死に⾄る症例の数は徐々に減ってはいるものの、⽇本⼈の死亡原因の4位と⾼い⽔準で推移しています。また、脳卒中後には、⿇痺や認知症などを発症し⽇常⽣活動作に⽀障をきたした結果、⾃⽴した⽣活が送れなくなることもあります。
また循環器疾患と脳疾患の併発率は多く、とりわけ頚動脈病変と冠動脈病変の合併は国際的な調査でも日本で7%が併存していると報告されています。頸動脈エコーやMRIで、頸動脈狭窄病変が見つかった場合、至適なタイミングで血管内治療を提供できればと考えています。脳卒中、脳血管内治療専門の脳外科医である寺田幸恵医師とともに、頸動脈ステント治療を行っています。また生活習慣指導や内服での血圧管理など、予防的治療についても力を入れています。
脳血管内治療について
CAS(頸動脈ステント留置術)
手術は、従来は全身麻酔による内膜剥離術が主流でしたが、血管の内側から狭くなった部分に金属のメッシュでできた筒(ステント)を入れて、血管を拡げるステント留置術が主流となっています。ステントはすでに心臓や手足の血管では広く用いられており、内頸動脈に対しても手術時間が短く、また局所麻酔で実施可能なこともあり、最近20年間で内膜剥離術よりも多く用いられるようになってきました。
手術の方法は、原則的に足の付け根の大腿動脈から血管を穿刺し、その後カテーテルを使って内頸動脈起始部にアクセスします。ステントを留置するときに狭窄部に付着している血栓が脳の中に入り込まないように、フィルターと呼ばれるプロテクションデバイスを狭窄部の先に進めて血栓を捉えるような塞栓防止を行ないます。狭窄が高度であったり(99%狭窄など)、術前MRIでハイプラークと呼ばれる脆弱な血管構造である場合は、狭窄部の手前でバルーンを膨らませて血流遮断した状態でプロテクションデバイス(フィルターやバルーン)を狭窄部に通過させ、狭窄部から血栓塞栓等が脳血管に迷入しないよう内頸動脈遠位部で展開します。プロテクションが効果を発揮している状態下で、ステント留置前のバルーンによる拡張(口径が広い場合は控えることもあります)、ステントを留置、ステント後のバルーンによる拡張でバルーンをより広くして血管壁に圧着させます。ステント留置ができたら、捉えた血栓とともにフィルターを回収します。これにより再発は大幅に軽減され、良好な成績を収めています。